「バックパック型ライダーを背負って京都を歩こう!【伏見桃山城編】」

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本日の「バックパック型ライダーを背負って京都を歩こう!」は、予告通り【伏見桃山城編】をお送りしたい。前回お伝えした【伏見稲荷大社編】の現場と同じ伏見区だが車移動で20分程、5~6km離れている。

散策気分で徒歩でも良いが1時間近くかかる。これから来る盆地の湿気に満ちた酷暑シーズンには苦行をご希望の方以外はあまりお勧めしないが、今の季節なら割と快適に歩ける。途中には駈馬神事で知られる藤森神社もあるので立ち寄るのも良いだろう。因みに主祭神は八坂神社と同じく素戔嗚尊だ。八坂神社、伏見稲荷大社に引き続き、今回使うのもセンサー&RGBカメラ搭載のニューモデル「LiBackPack C50」。初の城郭スキャンとなる「バックパック型ライダーを背負って京都を歩こう!【伏見桃山城編】」スタートだ。

先ず、伏見桃山城について幾つか説明を。正式名は伏見城。別名に指月城・桃山城・木幡山城がある。因みに「伏見城」と名がつく城としては歴史上4つ目となる。天守閣が現存しているかのように見えるがこれはコンクリート製の模擬天守で、1964年にオープンしたレジャー施設・伏見桃山キャッスルランドのランドマークとして洛中洛外図を参考に建造されたものだ。つまり遊園地の一部だったわけだ。そして、誤解されていることが多いが、豊臣秀吉の建てた指月伏見城(1592年)も1596年の地震による指月城倒壊後に造られた木幡山伏見城も徳川家康再建による木幡山伏見城の場所もここではない。現在の模擬天守は伏見城花畑跡に建てられており、実際のものとは関係が無い。因みに伏見桃山キャッスルランド自体は2003年に閉園してしまい、現在は伏見桃山城運動公園となっているが、伏見区民の強い要望により模擬天守は伏見のシンボルとして残されている。建設当時から残されている現存天守は姫路城を始め12しかなく、それ以外は大体模擬天守だ。清洲城や郡上八幡城もこれにあたるが、安土桃山建築の派手さを備えたこの伏見桃山城は相当に見目良い模擬天守だと思うのは地元民の贔屓目だろうか。
では、役立つか役立たないか分からない豆知識を仕入れたところで、いよいよスキャン開始だ。

いつもの如く「LiBackpack C50」を起動させ城の周りを歩くだけ、と言いたいところなのだが今回は少し違う。前回、前々回にお伝えした八坂神社、伏見稲荷大社は神社という性質上それ程の高さはない。例えば八坂神社の西楼門は高さ9.1m、幅は7.9mだ。しかし、伏見桃山城は城だ。模擬天守とは言え6層の大天守と2層の望楼型小天守を備えた堂々たる城郭だ。「LiBackpack C50」の水平視野は360°、垂直視野は-15° ~ + 15°だ。城スキャンのメインとも言うべき天守閣をどこまで計測できるのか、と不安に思われる方もおられるだろう。しかし、ここでちょっとした技を使う。動画をご確認頂けると思うが、城門から少しの間背負っていた「LiBackpack C50」を途中から抱えて歩いているのがお分りになるだろうか。

これは何かトラブルがあったとかそういうことではなく、「LiBackpack C50」の360°の水平視野を利用して天守閣をスキャンしているところだ。センサー&カメラを傾けてスキャンすることで通常の使い方よりも高い位置のデータを取得することができるというわけだ。
そうして得られた現•伏見桃山城がコチラだ。

2層の小天守は上部までしっかりスキャンされている。そしてRGBカメラによるカラーデータでは周囲の木々の色の違いや、門の赤、城壁の白もしっかり確認することができる。

6層の大天守もかなり上部までスキャン可能だ。

カラーデータにすれば駐車場の白線までくっきり表示され、勿論駐車スペースのサイズもしっかり計測できる。

これまでは「背負って歩いて簡単計測」のみだったが、今回は「抱えて傾けて歩いて簡単計測」という新たなスキャン方法をご紹介させて頂いたわけだが如何だっただろうか。城廓や石垣のデータを収集する必要に迫られている方、周囲の風景ごと城のカラー点群データを絵画のように楽しみたい方、駐車スペースのデータを収集しておられる方は是非、株式会社光響までご一報を。

最後に。この伏見桃山城とは異なる場所にあった本来の伏見城(木幡山伏見城)だが、現在は明治天皇の陵・伏見桃山陵となっている。宮内庁管轄で立ち入りは禁止だ。因みに、歴史的な舞台となった場所で、豊臣秀吉臨終の地であり、徳川家康が征夷大将軍の宣下を受けた場所でもある。そして一番初めの伏見城である指月城は長らくその正確な場所が不明とされてきたが、2015年に遺構が発見されその存在が裏付けられることになった。
伏見関連豆知識を再度お伝えしたところで、今回の「バックパック型ライダーを背負って京都を歩こう!【伏見桃山城編】」は終了。次回更新は今のところ未定だが、楽しみにお待ち頂ければ幸いだ。

参考
* wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8F%E8%A6%8B%E5%9F%8E
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:FushimiCastle.JPG (図1)

* 城めぐりチャンネル
https://akiou.wordpress.com/2013/09/08/fushimi_momoyama/</!–NoAds–>

執筆者:株式会社光響  緒方