島津製作所は6月30日に水中光無線通信装置「MC500」を発売しました。当社独自の水中光無線通信装置は、緑色と青色のレーザー光の送受信によって水中での高速通信を可能にするモデムです。「MC500」は、近距離(10メートル)を得意とする「MC100」(2020年2月発売)に続く、シリーズ第2弾製品となります。最大80メートルの通信距離を持ち、AUV(Autonomous Underwater Vehicle、自律型潜水機)やROV(Remotely Operated Vehicle、水中ドローン)と呼ばれる水中ロボットに搭載して、ロボット間やロボット・洋上船間などの通信を可能にします。当社は本製品を通じて、「洋上風力発電などのインフラの設置・保守」「海底パイプラインの検査」「レアアースなどの鉱物資源の探査」といった海洋業務の効率化に貢献いたします。
現在、水中での通信は有線もしくは音波が主流です。ただし、有線はケーブルで水中ドローンの動きが制限され、音波は実用化されている通信速度が数十Kbps程度に過ぎません。水中の光無線通信では光源にLEDを使う方式が多いですが、当社は指向性と応答速度に優れた半導体レーザーを採用することで高速通信(最大20Mbps)※と低消費電力を兼ね備えた水中光無線通信装置「MC」シリーズを開発しました。島津製作所は、海洋をフィールドとする事業会社や研究機関などに“水中Wi-Fi”と呼べる通信環境を提供し、グローバルな「海洋開発のDX(デジタルトランスフォーメーション)」の実現を目指します。
※1Mbpsは1Kbpsの1000倍
新製品の特長
1. 最大通信視野角40度と通信距離80メートルを実現
最大80メートルの距離で大容量ファイルの送受信・動画のリアルタイム通信を実現し、水中における業務を飛躍的に効率化します。
2. 最大20Mbpsの通信速度
「MC500」は、用途・環境に応じて通信速度を切り替えられ(1Mbps、10Mbps、20Mbps)、太陽や照明といった外乱光の影響下においても安定した通信が可能です。
3. 全二重通信方式による双方向通信
「MC」シリーズは全二重通信方式による双方向通信を実現しています。「MC500」を構成する2つの端末双方は、大容量データの送受信を可能としています。
島津製作所は、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)によるAUVで海底に設置した観測システムからデータを自動回収する実証実験に協力しました。本実験は、「ハーベスティング」と呼ばれる回収方式として世界初の成功です。使用したAUVには、試作段階の「MC500」を搭載していました。
[SHIMADZU] 海底の観測データの回収実験でJAMSTECに協力 無人探査機に当社製水中光通信装置の試作機を搭載 | 2022年 | ニュース | 島津製作所
価格 | 3000万円(税別、青色発光と緑色発光のモデル1台ずつ含む) |
販売目標 | 発売後1年間で5式 |
出典:
https://www.shimadzu.co.jp/news/press/3yu0xn0xh2ascd_e.html
記事の追加及び削除:
記事の追加あるいは削除を希望される場合、お手数ではございますが、以下窓口までご連絡ください。
info@symphotony.com
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。