2022年11月30日
東京工業大学
-シリコン基板上低消費電力半導体薄膜レーザで実証-
【要点】
- シリコン上に集積可能な光活性化関数(ReLU)素子を実証
- 低消費電力半導体薄膜レーザを作製し、光と電気のハイブリッド駆動でReLU関数を実現
- 人工知能に向けたワンチップ全光ニューラルネットワーク回路を実現する光集積回路へ道を開く
【概要】
東京工業大学 工学院 電気電子系の西山伸彦教授、高橋直樹大学院生と、科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の雨宮智宏助教らの研究チームは、シリコン基板上低消費電力半導体薄膜レーザ(用語 1)を作製し、駆動方法を工夫することで、人工知能における機械学習のためのニューラルネットワーク(用語 2)(以下、NN)回路に広く利用される活性化関数である ReLU(Rectified Linear Unit:正規化線形ユニット)(用語 3)関数を光入出力で実現できることを実証した。
光NN回路は、従来の回路に比べて高速で信号処理ができる可能性があることから注目されている。しかしこれまでは、大規模光集積回路が実現可能なシリコン基板上では、光NN回路の一部である線形処理(用語 4)のみが使われており、活性化関数処理は電気信号に戻して行う必要があった。今回の研究により、線形処理部と同一の回路上に、活性化関数処理部を全て光で実現できる可能性が示され、ワンチップ全光NN回路の実用化への道を開いた。この成果はより高度で高速な人工知能の実現につながると期待される。
本研究成果は、10月28日付の「Optics Letter」にオンライン掲載された。
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