(レーザー関連)アンリツ株式会社/光スペクトラムアナライザ MS9740Bが高出力LD向けに測定機能を強化

2023/05/18

パルス光のスペクトル特性評価において生産効率の改善に貢献

アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、LD[※1]チップから出力されるパルス光に対する測定機能を強化するため、光スペクトラムアナライザ MS9740Bに搭載可能なソフトウェアオプション「パルス光測定 MS9740B-020」の販売を開始しました。

MS9740B-020は、LDチップから出力されるパルス光を短時間で測定でき、高出力LDチップの生産効率の改善に貢献いたします。

開発の背景
LDチップを製造するチップベンダ、システムベンダは、製造工程において、LDチップから出力される光のスペクトル特性を検査しています。

近年、通信分野での光伝送の長距離化に加え、今後のCPO[※2]に向けたELSFP[※3]需要、さらにLiDAR[※4]の測定距離レンジ向上に向けたセンシング分野など、高出力LDの需要が増えてきています。これらの高出力LDチップを連続発光(CW[※5])させると、LDチップの温度が徐々に上昇するため、光波長とパワーがドリフトし、スペクトル特性の評価が正しく行えません。そこでLDチップの通電時間をパルス駆動で周期的に制御することで、温度上昇を抑え、光波長やパワーのドリフトを抑制します。

一方で、従来の光スペクトラムアナライザにトリガ信号を入力する測定法では測定時間が長くなり、生産効率改善の妨げとなっていました。

製品概要と特長
LDチップから出力されるパルス光の測定時間を短縮
本オプションは、周期的なパルス光をトリガ信号なしで測定できるため、短時間でスペクトル特性評価が可能です。

高出力LDでも測定再現性を確保
本オプションでは、パルス光測定時において±1.4 dBのSMSR[※6]測定再現性*を確保しています。検査工程で重要なSMSR測定結果のばらつきが抑えられるため、誤判定による再測定が削減可能です。

*MS9740B-020オプション搭載時。MS9740B-009マルチモードオプション搭載時は±1.8dB。

用語解説
[※1] LD

Laser Diodeの略。レーザ発振する半導体素子。

[※2] CPO
Co-packaged Opticsの略。帯域幅と電力の課題に対応することを目的に、光学系と電子回路を単一パッケージ基板上にまとめる高度な混載実装技術のこと。

[※3] ELSFP
External Laser Small Form-Factor Pluggableの略。CPOで採用することが検討されている高出力のレーザ光源モジュール。

[※4] LiDAR
Light Detection and Rangingの略。レーザ光を照射して、その反射光の情報をもとに対象物までの距離や対象物の形などを計測する技術のこと。

[※5] CW
Continuous Waveの略。一定出力の光を指す。

[※6] SMSR
Side Mode Suppression Ratioの略。サイドモード抑圧比のこと。光スペクトラムの1stピークと2ndピークの強度比。DFBレーザの品質を評価するための1つの指標。

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https://www.facebook.com/AnritsuTandM/

出典:
https://www.anritsu.com/ja-jp/test-measurement/news/news-releases/2023/2023-05-18-jp01

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