(レーザー関連)大阪大学他/「レーザー駆動中性子源」で大進歩!:1千万分の1秒で狙った材料の温度を非破壊計測

令和6年7月12日

―動作中の電池や半導体デバイス内部の異常検出・性能向上試験に―

【研究成果のポイント】

  • レーザーの強い光で中性子※1を生成、共鳴吸収とよばれる分析で試料の元素を非破壊で識別
  • 元素の種類とその温度を瞬間的に計測できることを実証、他の手法で数分~数時間かかった計測を1千万分の1秒に短縮
  • 動作中の充電池や半導体デバイス内部の知りたい部分の温度変化を計測できるので、異常発生の検出試験や性能向上試験が可能に

概要
 大阪大学大学院工学研究科の藍澤塵さん(博士後期課程)と大阪大学レーザー科学研究所の余語覚文教授を中心とする量子科学技術研究開発機構、北海道大学、日本原子力研究開発機構等との共同研究グループは、強いレーザー光で中性子を生成し、中性子共鳴吸収を用いて、特定の元素の温度の瞬間的な非破壊計測の原理実証を行いました。タンタルと銀の試料を設置して中性子を透過させることで、元素の種類を識別し、また、タンタルのみ温度を最大摂氏620度まで上げると、タンタルの信号だけが温度に対応して変化することを確認しました。

 従来の典型的な加速器駆動中性子源を用いた場合に数分から数時間の計測時間が必要となるデータを、わずか約1千万分の1秒で得られました。本技術によって、動作中の機器の知りたい部分の瞬間の温度や温度の時間変化を非破壊で計測できるようになり、電池や半導体デバイスなどの異常発生の検出試験や性能向上試験が可能になります。

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