レーザー加工機を使ったアート作品は、ガラスに紙に木材、革、水晶、鏡他多種多様にあるわけだが、実に意外な、コレ使って良いの?と言ってしまうような素材を使ったものも存在する。
図1
元は何だかお分かりになるだろうか。
そう、お札だ。
図2
コチラだと更に分かりやすいかもしれない。上海の文字が見える、中国のお札だ。
これはロドリーゴ・トーレス氏製作のお札アート。世界各国のお札に印刷されているモチーフをレーザーカットして、繋ぎ合わせてコラージュ作品に仕上げている。カットしたイメージを何層にも重ねた美しい立体作品だ。
カットした紙を重ねて製作されるアート作品は多くあるがその紙が、お札、というのは斬新だ。
図2拡大
拡大して見れば、デザインされた絵柄に合わせて緻密に切り取られ張り合わされていることが良く分かる。
図3
お札から鳥が飛び立っているという遊び心のある作品から、元がお札だということが信じられないような作品まで、どれも個性的で美しい作品が揃っている。
図4
他にも、アメリカのスコット・キャンプベル氏が1ドル札を束ねたものにレーザーカットを施して独特の作品に仕上げている。
図5
髑髏
キャンプベル氏はタトゥーの彫り師でもあるということで、モチーフもタトゥーで好まれるようなものが多い。
図6
有刺鉄線が絡まる薔薇
図7
大鎌を持った死神
お札を使ったアートで少し気になるのは、法に触れないのか、という部分だが、日本の法律では「貨幣損傷等取締法」があり、硬貨を鋳つぶしたり損傷すると1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する、と定められているが、これは硬貨に対するもので紙幣には適用されない。
自己所有のお札を切ってアートに利用したり、マジシャンが燃やしたりしても特に問題は無いようだ。尤も、過去には「千円札裁判」なる騒動も起きているので使用には慎重に慎重を重ねた方が無難ではある。
但し、刑法に「通貨偽造及び行使等」という項目があり、行使目的での偽造及び変造は言うまでも無く処罰対象となっている。
アメリカでは硬貨をお土産用の記念メダルに加工してくれたりするので、国によって違いがあり、アートに利用してみたい方は調べてみると良いかもしれない。
(参考)
*ADB ARTIST DATABASE
http://plginrt-project.com/adb/?p=169
http://i1078.photobucket.com/albums/w487/plginrt-project328/mony.jpg(図1)
http://i1197.photobucket.com/albums/aa427/plginrt-project/30B930AF30EA30FC30F330B730E730C330C82013-05-12234519_zps69b72ecc.png(図2)
http://i1197.photobucket.com/albums/aa427/plginrt-project/893/Rodrigo-Torres-Money-Currency-Collages-11_zpsb6a180eb.jpg(図3)
http://i1197.photobucket.com/albums/aa427/plginrt-project/893/rodrigo_torres_grana_extra_3__zpsa59359c4.jpg(図4.)
*Gigazine
http://gigazine.net/news/20091008_dollar_bill_art/
http://i.gzn.jp/img/2009/10/08/dollar_bill_art/bills02_m.jpg(図5)
http://i.gzn.jp/img/2009/10/08/dollar_bill_art/bills07_m.jpg(図6)
http://i.gzn.jp/img/2009/10/08/dollar_bill_art/bills09_m.jpg(図7)
「執筆者:株式会社光響 緒方」