-秒の再定義に向けた議論を加速-
ポイント
- イッテルビウム原子の新たな時計遷移について、直接励起の絶対周波数を世界で初めて12桁まで測定
- 既存の時計遷移との同時運用により光格子時計の精度向上へ
- さらなる精密分光が微細構造定数の時間変化や暗黒物質探索などの新たな道を開拓
イッテルビウム原子(Yb)の既存の時計遷移と新たな時計遷移を相互比較することで光格子時計の高精度化を実現し、秒の定義改定への貢献を目指します。
概要
国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という) 物理計測標準研究部門 時間標準研究グループ 川崎瑛生 研究員、小林拓実 主任研究員、西山明子 研究員、田邊健彦 研究グループ付、安田正美 研究グループ長は、イッテルビウム原子の波長431 nmの時計遷移の直接励起を観測し、その周波数の絶対値を世界で初めて測定することに成功しました。イッテルビウム原子には、すでに周波数の絶対値が知られている別の時計遷移があり、光格子時計で刻まれる時間周波数の基準として使われています。今回新たに絶対周波数を測定された時計遷移は、光格子時計に組み込むことで、環境外乱による時間の基準の変動を抑え、その高精度化に貢献することができます。
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