かねてより筆者はモバイルキーボードを収集している。だが、最近の筆者のモバイルキーボード収集癖はだいぶ落ち着いてきた。この界隈もコモディティ化が進んでおり、性能が平滑になって特徴的な製品が出てこないためだ。そんな中でもクラウドファンディングによる小規模プロダクトは活気に満ちている。この手のクラウドファンディングには珍しく、日本語で募集がかけられていた台湾メーカーからの意欲作が届いたので紹介しよう。
「Serafim Keybo」は、Bluetooth接続のレーザー投影キーボードだ。本体上部の投影口からレーザーでキーボードの「絵」を投影する。本体下部からは、各キーに対応する位置に向けて不可視のレーザーが照射されており、センサーでレーザーが塞がれたことを感知するとキーが入力された、と判断する仕組みだ。
これまでも同種の製品は存在していたが、後発の強みを活かしてさまざまな点を強化している。まずは、キー配置が日本語になっていること。これまでのレーザー照射キーボードは英字キーしか選択肢がなかったので、AndroidやWindows端末で使いやすという強みがある。細かいところでは、本体上部にバネじかけのスマホ/タブレットスタンドを内蔵している。大きなものは支えきれずに倒れてしまうが、6インチクラスのタブレットであれば問題なく使える。また、内蔵バッテリーの出力にも対応しており、モバイルバッテリーとして他の機器に充電することができる。あって困るわけでもなし、入れられる機能は入れておこうという思想を感じる。
面白いところでは、スマホ/タブレット側にアプリをインストールすることで、(楽器が弾ける方の)キーボードが投影されるようになる。鍵盤を押すとピアノ、ギター、ベース音がスマホ/タブレットから出る。切り替えられるとは言え、表示される鍵盤は2オクターブほどなのでオマケ程度の要素だ。この製品はSDKが公開されており、これを使って何ができるかというデモンストレーションが目的なのだろう。
肝心のタイピングについては、普通のキーボードに比べ、やはり誤入力の頻度が多い。各キーを丸い独立型にするなど入力精度向上を図ろうという努力は見られるが、それでもブラインドタッチは難しく、キートップを確認しながらタイプをする必要がある。もし可能なら、ファームウェアアップデートでの更新を期待したい。
しかし、なんと言ってもこの未来感は多少の難を隠してくれる大きな魅力だ。これからの時代、挑戦的なプロダクトはどんどんクラウドファンディングで上市されていくのだろう。そういった意味でも未来的な製品だと言える。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
Serafim Keybo | Serafim | 1万1800円 |
出典:https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/todays_goods/1120388.html#LK8_l.jpg
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