おける光エネルギー移動の直接観測
愛媛大学大学院理工学研究科の石橋 千英准教授らの研究グループは、独自に開発したフェムト秒顕微分光法を用いて、単一の銅フタロシアニンナノファイバーにおける励起子拡散過程を直接観測することに成功しました。これまで集合体全体の平均的な情報しか得られなかった励起子拡散係数と拡散長を、単一ファイバーごとに測定した結果、η相のナノファイバーではβ相よりも約 3 倍高い拡散係数を示すことが明らかになりました。これは、η相における分子平面の傾斜角やπ電子系の重なりが大きく、分子間の励起子相互作用が強いことに起因します。さらに、同じ結晶相でもファイバーの長さが長くなると、励起子拡散係数は低くなることも明らかになりました。本研究は、有機分子結晶の光物性理解を深めるだけでなく、有機太陽電池や光エネルギー変換デバイスの高効率化につながる重要な成果です。
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