京都大学 化学研究所の廣理 英基 准教授(兼 京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)連携准教授)、同 金光義彦 教授、佐成晏之 博士課程学生、同 理学研究科の田中耕一郎 教授、筑波大学 数理物質系の長谷宗明 教授、東海大学 工学部 光・画像工学科の立崎武弘 講師、産業技術総合研究所ナノエレクトロニクス研究部門の齊藤雄太 主任研究員、牧野孝太郎 研究員、フォンス・ポール上級主任研究員、コロボフ・アレキサンドル首席研究員、富永淳二 首席研究員らの研究グループは、高強度テラヘルツパルスを相変化材料GeSbTe化合物(GST)に照射すると、アモルファス状態からナノスケールで結晶成長する機構を発見しました。GSTは現在使用されている記録型DVDや次世代の不揮発性固体メモリとして期待されている相変化メモリの記録材料です。本研究では、世界最高強度のテラヘルツパルスの発生技術を駆使することで、ピコ秒(1兆分の1秒)という非常に短い高電場パルスをGSTに加えることに成功し、電場方向へ選択的にナノスケールの結晶成長が生じることを明らかにしました。本研究成果は、メモリのスイッチング動作において瞬間的に生じる高電場効果を明らかにし、またナノスケールという極めて小さな構造変化の誘起が可能なことを示したものであり、今後相変化メモリの小型化や高効率化にもつながると期待されます。
本研究成果は、2018年10月12日に米国物理学会の学術誌「Physical Review Letters」に掲載されます。
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。