最近のゲーム業界はレーザー装備の魚類や海獣がブームなのだろうか。以前に引き続き、再び御紹介するのは、クジラが主役のインディーズゲームだ。
『Cornflower Corbin』
図1
背中にレーザー砲発射装置を背負ったクジラやシャチが、カメやタコ、クラゲ、魚影から推測するにカツオやマグロを引き連れ、同じくレーザーを背負ったサメやロケットを括り付けて突進してくるカメ、何故か潜水艦に乗り魚雷を撃ち込んでくる子ガメと戦う、サイドスクロール型のシューティングゲームだ。
図2
どことなくアメコミっぽさが漂う半リアル、半ユーモラスな魚類や刺胞動物や海獣、薄笑いを浮かべたハリセンボンがなんともシュールだが、漂っている気泡と共にハイスピードで通り過ぎていくのは見ていてなかなか楽しい光景となっている。
操作キャラはクジラのCorbinとシャチのPaul。どうやら2頭は親友同士という設定のようだ。
海のギャングと言われるシャチや巨大なクジラが背中にレーザー兵器を背負って戦いに挑む様は、まさにそれだけで海中の最強兵器とも言えるわけだが、温厚なイメージのあるウミガメがロケット弾と共に自爆攻撃を仕掛けて来るとは、海底世界の荒みようが察せられる。しかも、子ガメまでもが戦いに参加している早期教育ぶりだ。タコに至っては仮面ライダーのように改造処理までされてしまっている。頭に突き刺さった棒状のものはアンテナだろうか。操られてでもいるのかもしれない。
唯一、薄笑い、というか半笑いでなんとなく幸せそうなハリセンボンも見ようによってはちょっとした狂気を感じないでもないが、その役割はゲームをプレイして確認して頂きたい。
図3
海底に一体なにが起こっているというのか。陸に住む人間が知らないだけで、魚類の世界も色々と複雑な事情があるのだろうか。気になるところではある。
ゲームとしては、一風変わったシステムを取り入れていて、主人公のクジラはレーザーを連射すればするほど、何故か体が巨大化する。そうなると当然敵からの攻撃がヒットする確率は増していき、どんどん不利になってしまうのだ。
ということは、操作キャラを上下に動かしつつ連射して敵を倒す定番の戦法は使えない事になる。適度に攻撃をかわし、適度に突っ込んでくる敵を避け、適度に攻撃する、という絶妙のバランス感覚が必要とされる、既存のスクロール型シューティングとはちょっと違う楽しみ方があるゲームだ。
一方で、スクロール型ゲームの醍醐味であるパワーアップアイテムもちゃんと用意されており、パープル=攻撃力2倍、レッド=レーザーがトリプルショットに、ブルー=シールド効果、と各種取り揃えられているのが嬉しい。
ボス戦は全部で5回。準ボス戦も3回ありそれぞれのレベルでのプレイが楽しめるようになっている。
2人で行う協力プレイ、時間耐久プレイ、主人公たちの戦いぶりを描くストーリーモードが実装されており、色々な楽しみ方が出来るのも魅力だ。
発売はインディーズゲームスタジオ『Afterthought Games』から。STEAMで購入可能となっている。
価格は¥698とお手頃価格。値段分は十分に楽しめるゲームに仕上がっている。
平穏な海底を取り戻す為の戦いに参加したい勇敢な方や、魚類の間に張り巡らされている複雑な事情をのぞき見てみたい方は、一度プレイしてみても損はないだろう。
*『Cornflower Corbin』デモ版
参考
*Afterthought Games
http://afterthoughtgames.com/
*STEAM
http://store.steampowered.com/app/624780/Cornflower_Corbin/(図1,2,図3右)
*Games Park
https://www.gamespark.jp/article/2017/08/30/75491.html
*indieDB
http://www.indiedb.com/games/cornflower-corbin/news/lets-cover-the-basics(図3左)
「執筆者:株式会社光響 緒方」