わずかな温度差を見分ける赤外線カメラが、自律走行車から「死角」をなくす(Lidar+赤外線センサー)

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赤外線サーマルカメラは、100m以上も離れた場所からでも0.556℃というわずかな温度差を検知できる。PHOTO: JOSEPH GIACOMIN/GETTY IMAGES

Uberの自律走行車が死亡事故を起こしたことで、自動運転に使うセンサーの性能向上を求める声が高まっている。こうしたなか注目されているのが、赤外線を使ったサーマルカメラだ。ごくわずかな温度差から生物やモノの形状を見分けられるというこの技術で、どこまで「絶対の安全」を確保できるのか。アリゾナ州テンピで3月18日にUberの自律走行車が死亡事故を起こしたあと、誰もが2つの素朴な疑問をもった。まず、なぜシステムは衝突するまで女性を検知できなかったのか。そして、どうすれば再発を防げるのか、ということだ。

Uberは事故後に、自動運転技術の試験プロジェクトを無期限で中断し、米国家運輸安全委員会(NTSB)と協力して原因の究明を進めている。調査結果はまだ公表されていないが、レーザー光を使ったセンシング技術である「LiDAR(ライダー)」が焦点になることは間違いない。LiDARは暗闇でも歩行者を見つけられるはずだった。死角があったか、画像解析システムが不十分だったのか。ソフトウェアがデータの変換に失敗し、急ブレーキか急ハンドルで歩行者を避けるという判断に至らなかった可能性もある。いずれにしても、この事故によって自動運転システムの安全性を向上させられるなら、いかなる装置でも採用するべきだという議論が強まった。

0.6℃の温度差を感知する繊細さ
ここで登場するのが、オレゴン州に拠点を置くFlirという赤外線サーマルカメラをつくっている会社だ。製品管理を担当する副社長のマイク・ウォルターズは、「サーマルカメラは最もぶつかりたくないものを検知することに優れています。この場合は、人間です」と話す。通常のカメラが可視光をとらえるのに対し、Flirのセンサーは赤外線を利用する。わずか0.556℃という温度差を検知し、気温の低い夜間でも、冷たくなった自転車の金属部分を識別できるという。検出対象範囲は最大240mと、市場に出回っている高性能LiDARセンサーに引けを取らない。さらに、FlirのセンサーはLiDARと異なり、霧や直射日光の影響を受けない。

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