現在、マーキング技術の主流で最先端と言えば、間違いなくレーザーマーキングだ。インク使わず削り屑も出ず極小の範囲にも繊細な加工を施せる、ときてはこぞって使われて当然の技術だ。
しかし、この完全無欠のレーザーマーキングには当初物足りなさがあった。そう、色彩にとぼしいことだ。
どんなに精密加工が可能でも単色の加工しかできないとなれば、その使用がある程度限定されてしまうのは仕方のないことだったのだが、やはり技術の進歩は素晴らしい。ここ最近、続々とカラフルで鮮やかなレーザー―マーキングが登場し、多方面からの注目を集めている
写真の鮮やかな色合いは「色が塗ってある」状態ではない。あくまでも「レーザーマーキング」の技術で加工されたものなのだ。塗っていないのに色が付いているとは此れ如何に、だが、そこが最新技術というわけだ。そもそも人間が色を色として認識するのは、物に反射した光の色を見ているからだ。つまり、青なら青の光だけを反射して他を吸収するように加工すれば、塗装していなくても青い色が付いているという状態になる。レーザーカラーマーキングは、チタンやステンレスといった金属の表面に酸化皮膜を作り、そこを透過して金属表面で反射した光と酸化皮膜で反射した光の干渉によって発色させる技術だ。
酸化皮膜の厚みによって反射する光の色は変わって来るので、厚みをコントロールすることであらゆる色彩を表現することができるというわけだ。加工に適しているのは、ステンレス鋼やチタン、クロム、ニオブ等の金属板だが、素材となる金属の品質と表面仕上げが、このレーザーカラーマーキングの工程に大きく影響する。例えば、ブラシ仕上げされた金属の場合は表面の粗さが形成された酸化皮膜よりも深く、マーキングの難易度は高くなってしまう。逆に、研磨された滑らかな表面は加工しやすい素材だ。また、熱の影響を受けにくい厚みのある素材の方が薄いものよりも適している。
色付きのレーザーマーキングという技術は、これまで所謂マーキング、工業製品や文房具やペットボトル等々あらゆる製品への刻印に使われてきたその汎用性に、「彩色が可能」という新しい能力が加わることで、更なる市場の拡大につながると、期待と注目を集めている。
*チタン加工技術専門 チタンクリエーター福井
https://tic-fukui.jp/tech/laser</!–NoAds–>
https://tic-fukui.jp/author/wp-content/uploads/2010/12/IMG_02031.jpg (図2)
https://tic-fukui.jp/author/wp-content/uploads/2015/06/39076d26afcd369740676981311b29b7-550×411.jpg (図3)
*Laser Focus World
http://ex-press.jp/previous/ilsj/articles/0807_34.html
*名取製作所
http://www.natori-mnf.co.jp/titanbeautiful/
http://www.iwakura-weld.jp/img/lm/large/47-a.jpg (Top画像)
執筆者:株式会社光響 緒方