精密金型加工に対応する複数照射式レーザーコーティング技術を開発

NEDOが管理法人を務める内閣府事業「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)/革新的設計生産技術」において、大阪大学と石川県工業試験場、(株)村谷機械製作所は、直噴型マルチビーム式によるレーザーコーティング法を開発し、スマートフォン部品向け金型やマイクロドリルなど高精度な加工に対応できるレーザーコーティング技術を確立しました。この技術では、集光径の小さいレーザー光の複数照射などにより、歪みの小さいコーティングや薄肉な皮膜積層、球面などさまざまな形状へのコーティングを実現します。(株)村谷機械製作所は、この成果を活用して開発した直噴型マルチビーム式レーザーコーティング装置を同社のレーザー加工機「ALPION(アルピオン)」シリーズに加え、2019年4月から販売を開始する予定です。なお、このレーザーコーティング装置は、2018年11月1日から6日まで東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催される第29回日本国際工作機械見本市「JIMTOF 2018」で実機のデモンストレーションを行います。

1.概要
近年、さまざまな産業分野において製品の小型・軽量化、省エネ・省資源化への要求が激しさを増しており、その対応策として付加価値の高い機能を必要な部分にのみ効率的に付与できる表面処理技術が重要視されています。しかしながら、肉盛溶接※1や粉体プラズマ溶接※2の場合には多量の入熱を必要とするため母材への熱の影響が大きく、母材が大きく歪んだりすることが問題となっています。一方、溶射※3の場合には皮膜内部に空隙が多く残存することや母材との密着性が低く、使用中に剥がれてしまうなどの問題があります。
これらの課題を解決するために、薄肉で微細な製品に適用可能な高精度なレーザーコーティング技術の開発が求められています。

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