夜に自転車に乗るのは結構怖い。そんなこと意識しないよ、という人も居るだろうが実際に夜の自転車は怖いのだ。自転車対自動車の交通事故は件数としては減少傾向にあるが、夜間の事故数は増加。そして、夜間の死亡事故率は増加傾向にあり、自動車側から見た自転車の夜間視認性の向上が必須だ。という事実が警察庁資料により示されている。では、どうやって夜間視認性を向上させるのか。その問題を解決するアイテムがイギリスで開発され、既に使用が始まっている。
それがコレ。『Laserlight Core』だ。一見ごく普通にありがちな自転車ライトだがLEDライトの下の方に緑色の丸い物体が付いている。ここからレーザーであるイラストを照射し、自動車/歩行者からの視認性を高めてくれる画期的なライトなのだ。
写真を見れば一目瞭然。グリーンに光る自転車のマークだ。この光る自転車マークを5~6m先に表示してくれる機能の付いた自転車ライトだ。自転車のライトは暗い。最近は明るいものも販売されているが車のそれにははるかに及ばない上に、市街地や繁華街では他の光に負けてしまい見落とされる率は高い。しかし、『Laserlight Core』はLEDと同時にレーザーを使っているので拡散が少なく視認されやすい。このマークが表示されることで、道路を横断している歩行者に自転車が来ていることを知らせることができ、自動車の死角に入ってしまっていても気づいてもらえる。また、交差点から出てくる自動車に自転車の存在を知らせることもできる。
正に自転車乗りにも歩行者にも自動車の運転手にも嬉しい交通安全アイテムだ。この製品に見覚えのある方もおられるだろう。以前にご紹介した事のある『blaze』のニューバージョンがこの『Lserlight Core』だ。社名を【Blase】から【berly】に変更し、更に使いやすく機能的になっての再登場というわけだ。長さは10.6cm、重さはブラケット付きで100g、ブラケット無しで91gと小型・軽量化に成功。USBケーブル付の簡単充電で1時間に50%、フル充電は4.5時間。使用可能時間はレーザーによる自転車マークを常時点灯させると1.5時間と全タイプより30分短くなってしまっているが、これは小型化の影響だろう。その分は簡単充電で補うことができる。当然雨天使用もOKな防水機能付き。取り付け取り外しもシリコン製ベルトで巻くだけ、という簡単さだ。ただし、注意点もある。
レーザーを使用しているので、点灯状態のまま自転車の側を離れたり駐輪したりしておき、子供や通行人が興味本位で覗き込むと目に良くない影響を及ぼすことがある。使わない時、駐輪する時は取り外すなど、使用者側での対策は必須だ。レーザーは取り付けなければ点灯しない構造になっているので外しておけば問題ない。因みに、普通の300lm~400lmの懐中電灯としても使える。
既に行政機関からの関心も寄せられていて、ロンドンでは試験導入が始まっており、LEDライトのみでは65%の視認率がこの『Laserlight Core』を使用すれば97%まで上昇するという結果が出ている。この結果を受けてロンドンのバイクシェアサービスの自転車への取り付けが進んでいる。他にも、カナダ・モントリオールやアメリカ・ニューヨークデモ導入の検討が進められている、いま注目の自転車グッズだ。クラウドファンディングサイト「Kickstarter」で販売しており、入手可能な金額は69$だ。今年の12月出荷予定となっている。
Beryl Laserlight Core. Project yourself. Protect yourself. from Beryl on Vimeo.
*Beryl Laserlight Core. Project yourself. Protect yourself.
参考
*berly
https://beryl.cc/
*Gigazine
https://gigazine.net/news/20181117-beryl-laserlight-core/
https://i.gzn.jp/img/2018/11/17/beryl-laserlight-core/01_m.jpg (図1)
https://i.gzn.jp/img/2018/11/17/beryl-laserlight-core/05_m.jpg (図2)
https://i.gzn.jp/img/2018/11/17/beryl-laserlight-core/03_m.png (図3)
https://i.gzn.jp/img/2018/11/17/beryl-laserlight-core/02_m.jpg (Top画像)
*えん乗り
https://ennori.jp/5478/beryl-laserlight-core
関連
執筆者:株式会社光響 緒方