光通信波長帯ナノワイヤレーザの室温動作に成功

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日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:澤田純、以下NTT)は、独自に開発した半導体ナノ構造形成方法を用いて髪の毛の1/100程度の太さの高品質なナノワイヤレーザ構造を作製し、ナノワイヤではこれまで実現されていなかった光通信波長帯での室温レーザ発振に成功しました。さらにナノワイヤ構造を厳密に制御することで通信波長帯1300~1600ナノメートル全域での室温レーザ発振も実現しました。本技術は、光集積回路実現に向け最大の難関であった微小レーザ光源の直接形成と光ファイバ通信網とのシームレスな接続を可能にすると期待されます。この成果は、2019年2月22日(米国時間EST14:00)に米国科学誌「サイエンス・アドバンシーズ」で公開されます。なお、本研究の一部は、独立行政法人日本学術振興会科学研究費助成金の助成を受けて行われました。

研究の背景
半導体発光デバイスでは、光を放出する発光層と注入電子を閉じ込める障壁層からなる多層構造(二次元ヘテロ構造)が用いられています(図1左)。この発光層の厚さや原料・組成比を調節することで、発振波長の制御や消費電力の低減などが実現されています。例えば2種類の元素(インジウムとヒ素)で発光層を形成すると、原理的には量子力学的な効果により光通信波長帯である、1300から1600ナノメートルすべての範囲での発振が発光層厚さのみで制御可能であることが知られています。しかし実際に現在光通信で用いられる半導体レーザ光源では4種類の元素(一般にガリウム、インジウム、ヒ素、リン)の配合比を厳密に制御した発光層が用いられています。このような複数の元素を用いるのは各層間に発生する原子間隔のズレ(格子不整合)を防ぐ必要があるからです。この格子不整合が大きいと半導体結晶内に欠陥が生じ発振特性を劣化させてしまうため、その抑制は不可避な問題でした。

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