超短パルスレーザーに誘起された非対称スペクトル形状を有する格子振動の発現

研究成果のポイント

1.高強度超短パルスレーザーによるシリコン結晶の光励起に伴って生成するコヒーレントフォノンの振動パターンとスペクトル形状を理論と実験により解析し、新規な物理現象を見出すことに成功しました。

2. 永らく未開拓な領域であった、コヒーレントフォノン生成の起源となる前駆過程において、プラズモンと縦光学フォノンの間のローゼン-ツェナー型非断熱相互作用が重要になり、これが過渡的な格子ダイナミックスの支配的要因の一つであることを示しました。

3. コヒーレントフォノン振動の時間シグナルをスペクトル分解することによって、ローゼン-ツェナー型非断熱相互作用が有効な場合のみ、スペクトル形状は非対称性を示すことを明らかにしました。この結果に関して、理論と実験の有意な一致を得ることに成功しました。

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