-超精密「原子核時計」実現に大きく前進-
発表のポイント
- 自然界最小の励起エネルギーを持つ原子核状態(アイソマー状態)を、世界で初めて人工的に生成することに成功しました。
- 大型放射光施設(SPring-8)の高輝度X線を用いた原子核共鳴散乱技術により、アイソマー状態を大量かつ自在に生成することが可能になりました。
- これによりアイソマー状態の研究が進展し、超精密原子核時計の実現に向けて大きく前進するものと期待されます。
自然界には約3300種以上の原子核が存在しますが、この中で最小の励起エネルギーをもつ原子核がトリウム229です。この励起状態(アイソマー状態と呼ばれる)は、レーザーを用いて励起することができる唯一の原子核励起状態であり、これとレーザーを組み合わせることにより超精密時計(”原子核時計”)を実現することが可能となります。またトリウム229は宇宙膨張の謎の解明など、基礎物理研究の舞台(プラットフォーム)としても有益であると予想されています。
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