新しいものや便利なものが身近にあると何かいつもと違うことをやってみたくなるのは人の性だ。面白半分というか好奇心の発露というか、人間のそんな興味本位の行動が進歩につながってきたに違いない。多分。
というわけで、レーザーで普段やらない色々を興味のままにやってみよう企画開始だ。
第一回は「レーザー焼鳥編」だ。
発端は岐阜県に本社を構えるレミックマルハチの某氏。乗り気になる弊社代表取締役。レーザー焼鳥、なんとなく近未来っぽくてかっこいいかもしれない。美味であれば尚良しだ。どうせやるなら本格的に行いたい。しかし、レミックマルハチさんにも弊社にも焼鳥を焼くグリルは当然無い。というわけでご協力をお願いしたのは大阪・都島の焼鳥店「トリヤココロイヤル」さん。
*「トリヤココロイヤル」さんメニューの一部。実に空腹感を煽ってくれる。
メニューの写真だけでお腹が空く美味極まりない鳥料理を提供してくれる焼鳥界の名店だ。これで調理場所だけでなくお肉の味までも保証された。食はやはり美味でなくてはならない。場所・味・科学技術に不足無し、いよいよ「第一回 技術を無駄遣いしてみよう【レーザー焼鳥編】」スタートだ。
*レーザークリーナーによるレーザー料理実験
先ずは調理の主役となるレーザーはお馴染みの「キャリータイプ50Wレーザークリーナー」だ。
名前の通り本来は錆や油膜や塗装を母材に傷を付けずにピカピカにしてくれる有能アイテムだが、今回は全く畑違いの調理分野に初チャレンジとなる。持ち運びに便利且つハンドヘルドタイプなので焼鳥グリルの上で非常に使いやすいというベストな選択だ。この実験に成功すれば、レーザークリーナー業界に新たな可能性が生まれことは間違いない。
ではさっそく焼き始めよう!の前に思い出さなくてはならないのは、レーザーは光だということだ。黒い色には良く吸収されるが白っぽい色には反射されやすい。鳥肉は極々一部の例外を除いて概ね「白っぽいピンク色」だ。焼け易いよう日本の黒い伝統食材「海苔」を巻くことにした。焼鳥の香りに海苔の香りがプラスされ美味しさUPでレーザーの吸収も良いという一石二鳥が嬉しい限りだ。
いよいよレーザー照射を開始。海苔を巻かれた鶏肉がすでに美味しそうで期待が膨らむ。
調理過程としてはあるまじき火花を散らしながら焼き色がついていく。脂が跳ねる音とはまた違う音がなかなかの迫力だ。香りは非常に香ばしく食欲をそそる。海苔のおかげでレーザーの吸収も非常に良い。
焼き上がりは大体6分ほど。通常の焼き時間は専用機材で4~5分程度、家庭用グリルや電気焼鳥器で10~15分程度なので、初回チャレンジとしては上々の結果と言えるのではないだろうか。そして更なる実験によってスピードアップを試みることにした。せっかくレーザークリーナーを使用しているのだから母材による輻射熱を利用するのだ。というわけで、アルミホイルで受け皿を作りその上で焼くという実験を開始。
先程よりも凄まじいバチバチ感。音だけを聞けばよもや調理中だとは誰も思わないだろう。
途中で燃え盛ってしまったが焼肉/焼鳥では良くあることだ。気にせずレーザーでバチバチさせつつどんどん焼いていく。
大体3分程で焼きあがった。アルミホイル無しの半分の時間に短縮できることが判明したわけだ。輻射熱のおかげで火の通りも良い。この実験によりレーザークリーナーはそのクリーニング機能だけでなく調理機能まで併せ持っているということが証明されたわけだが、やはり一番気になるのはレーザークリーナーで焼いた肉が果たして「美味しいのかどうか」という部分だろう。実食した弊社代表取締役によると「普通に美味しかった」とのこと。現段階で、既存の調理方法に勝るということは無いが特段に劣るというわけでもなさそうだ。
実験を一回終えただけでは何とも言えないが、レーザークリーナーの新たな可能性は示されたと言えるのではないだろうか。今後、錆や油膜をキレイにしつつ焼肉/焼鳥も楽しめる、『クリーナー兼調理器』という謎アイテムの開発に弊社が勤しむかどうかはここでは伏せておくことにしたい。また、『クリーナー兼調理器』という分野が世の中に広まる可能性があるかについての言及は避けておく。ただ、「レーザー調理器」という分野に関しては今後拡大の余地は大いにあると言えるだろう。
最後に、今回の実験では白っぽい鶏肉を海苔の黒さでカバーして焼き時間を短縮した。しかし「海苔が苦手だ」「巻くのが面倒臭い」という方々もおられるかもしれない。というわけでレーザー焼鳥人口増加計画を推進する為にも提案したいことがある。
最初から黒い鶏肉を使ってみたらどうだろうか。右は日本でもよく知られている「烏骨鶏」、左のさらに黒々しい鶏はインドネシア原産の「アヤム・セマニ」。どちらも肉どころか骨まで黒い正しく「全身黒」の鶏だ。「アヤム・セマニ」に至っては「鶏界のランボルギーニ」なる名称までつけられる程実に黒々しい鶏だ。勿論外見同様に肉も皮も黒い。
これなら海苔を巻かなくても短時間で焼けるのではないだろうか。「アヤム・セマニ」を手に入れるのは非常に難しそうだが、「烏骨鶏」はネット通販で購入することができる。一般的な鳥肉よりは相当高額ではあるが、試すならこちらの方が良さそうだ。レーザー焼鳥の面白さに目覚めつつある方は黒い鶏肉でお試しいただくのも一興だ。
さて、「第一回」と銘打たせて頂いてはいるが第2回がいつになるのか果たしてあるのかは現在のところ未定となっている。飽くなき探究心と好奇心の向かう先が定まれば、弊社でも「烏骨鶏のレーザー焼鳥」実験が行われるかもしれないし行われないかもしれない。気長にお待ちいただければ幸いだ。
参考
* 光響のレーザークリーナー
キャリータイプ50Wレーザークリーナー
100Wレーザークリーナー
* カラパイア
https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/8/a/8ae053d5.jpg 図1
https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/4/a/4ad2f98f.jpg 図3
https://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/c/2/c2ee260b.jpg 図4
* wikipedia
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/36/A_fuzzy_baby_chicken_and_its_mom.jpg/800px-A_fuzzy_baby_chicken_and_its_mom.jpg 図2
執筆者
株式会社光響 緒方