―広帯域赤外分光の小型・高感度化に貢献―
概要
電子や光子などの量子は、通常の物体とは異なった振るまいをします。その量子の個々の振るまいや相関(量子もつれ※1)を制御することで、飛躍的な計算能力を実現する量子コンピューターや、盗聴不可能な暗号を実現する量子暗号、さらに、従来の計測技術の限界を超える量子センシングなど、「量子技術」の研究が精力的に進められています。特に、量子もつれ光を用いた「量子赤外分光※2」は、可視域の光源と検出器のみで、赤外域の分光が可能になり、物質や分子の鑑別に幅広く利用されている赤外分光※3装置の大幅な小型化・高感度化・低コスト化が期待される技術として注目されています。しかし、これまでは、量子もつれ光の帯域が赤外域で狭い範囲 ( 1μm 以下)に限られており、量子赤外分光の帯域を制限していました。
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