かけ心地抜群。レーザー微細接合技術で作られるメガネフレーム

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眼鏡、と言えば福井県鯖江市「鯖江ブランド」。日本のみならず海外でも評価の高いメガネフレームの産地だ。

近年眼鏡フレーム業界は激戦地だ。安価な中国製やヨーロッパからのおしゃれなブランド品と、容赦ない戦いを繰り広げていると言っても過言ではない。それに勝利して行く為、鯖江市の眼鏡フレームメーカー「シャルマン」が目指したのは、かけ心地の追求である。

 図1

日頃から眼鏡を使用している方々には実感できることではあると思うが、眼鏡の「かけ心地」というのは非常に重要だ。寝る時とお風呂以外はずっとかけている、というような生活の場合、一日の大半を耳と鼻の上に眼鏡を乗せて過ごすわけである。これでかけ心地が合わないと、耳の後ろが痛い、肩が凝る、目が疲れる、頭痛がする等々色々な不都合が出てくるというのはままある話だ。だったら外せば良い、という問題ではない。外したら日常生活が大変不便になるからかけているのだから、外すに外せない、というのが眼鏡使用者の悲しいところである。念入りに選んだ眼鏡でも、新しく変えた直後はこんなことがよく起こるが、「慣れるまでの辛抱」と思い我慢するのはよくあることだ。

さて、眼鏡フレーム界の激戦を勝ち抜く為、眼鏡使用者の悩みを無くす為にかけ心地の追及を目指す「シャルマン」が採った作戦は、レーザーによる接合技術だ。レーザー接合技術の権威である大阪大学との5年に渡る共同開発により実用化に至った最先端の光加工技術(微細レーザ接合)である。

従来、フレーム部品の接合には所謂「ろう付け」という技術が使用されてきた。接合する部材よりも融点の低い合金(ろう)を溶かして接着剤のように使用する、という古来の技術だ。はんだ付けと言えばピンとくる人は多いだろう。(紀元前2000~3000年頃にはこの技法が開発されていたことが出土品から確認されており、また有名なところでは奈良の大仏の建立にはんだが使われている)。歴史と伝統の技術ではあるのだが、このろう付けでは金属への熱影響範囲が広いこともあり、十分な強度を保つことが出来ない、ごく小さな部品の接合が不可能等の問題があり、デザインの自由度という点でどうしても制限がかかってしまっていたのである。

そこで、狙った位置に正確無比に接合できるレーザーに着目し、技術開発を行ったのだ。このレーザーによる微細接合技術は、ろう材を使用することなく母材同士を直接接合する為、ろう離れを起こすことがなく高い強度での接合が可能となり、また、非常に小さな点で接合することができるので、フレームに使用するような極小さな部品でも、接合部分が鈍ることなく接合することが可能という利点を併せ持っている。正にメガネフレームに最適の技術なのである。

 図2

ただレーザーを使えば良いと言うわけでは勿論無い。
当然のように試行錯誤は繰り返され、どのような波長の光を、どの方向で、どの角度で、どれくらいの速さで使用するのか、徹底した技術開発が続けられた結果が、現在のレーザー微細接合技術なのだ。
より強く、より滑らかに、より正確にを求めたその成果が、世界に名を馳せるメガネブランドを作り上げている。


 図3

シャルマンのメガネフレーム「ラインアートシャルマン」、価格は30,000円~50,000円。高いか安いか適正かは個人の判断で別れるところだが、そのかけ心地を少し試してみたくならないだろうか。

最後に、シャルマンはこのレーザー微細接合技術を応用して医療機器の開発・販売にも乗り出している。眼科や脳神経外科等の手術用機器を販売している。また平成22年度第3回レーザー学会産業賞の貢献賞を受賞しており、これからも注目度の非常に高い企業であることは間違いない。

参考
*YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/CO012852/20150126-OYTAT50011.html

*CARMANT
http://www.charmant.co.jp/

*http://www.lineart-charmant.com/ja/cms.lineart/wp-content/themes/charmant/img/concept/concept_rondo.jpg(図1)

*「実は福井」の技
http://info.pref.fukui.jp/tisan/sangakukan/jitsuwafukui/fashion/140.html(図2)

*http://www.lineart-charmant.com/ja/cms.lineart/wp-content/themes/charmant/img/concept/concept_opera.jpghttp://www.excellence-titan.com/ja/img/story-content2-image2.jpg(図3)

執筆者:株式会社光響 緒方