(LiDAR関連)LIDARとカメラ搭載。大きな目のカワイイ配達ロボはロボット嫌いのサンフランシスコを走れるか。

世界的大人気キャラクター、大人も子供も大好き某テーマパークでも大人気、みんな大好き『ミニオンズ』風ロボットが、米・サンフランシスコにお目見えするようだ。『ミニオンズ』ではなくあくまでも“風”が付くところがポイントだが、このロボットは人気キャラクターっぽい見た目で、宅配業に従事することになっているらしい。「サーブ(Serve)」と命名されたロボットは、サンフランシスコの宅配サービス会社「Postmates」が開発したもので、レーザーを使ったセンサー・LIDARと、人が遠隔操作で監視・操作する為のカメラを搭載。人の指示に従って移動したり、ウィンカーが付いていたり、人が来れば道を譲る優しい機能も備えられる予定となっている。最大22.7kgの荷物を1回分の料金で48kmの距離を配達することができ、目的地に到着するとユーザーがタッチパネルや携帯電話で操作して蓋を開けて荷物を取り出したり、指定された場所でスタッフに中の荷物をひきわたしたりすることもできる。なんとも多機能な優れもののようだ。移動スピードは人が歩く程度の速さで安全な上、「サーブ」の大きな目には照明が組み込まれコミュニケーションツールやウィンカーとして活躍する仕組みになっている。

見た目が可愛く安全も考慮され何の問題もなさそうに見えるこの「サーブ」だが、大きな課題が残されている。それは、サンフランシスコという土地柄だ。その何が問題なんだと思われるかもしれないが、実はサンフランシスコはロボットたちにとって、特に屋外で活躍するロボットたちにとっては相当に厳しい環境にあると言わざるを得ない。サンフランシスコはそのほとんどの場所で配達ロボットが自律走行することを禁止している。多くの市民がロボットが歩道を占領して動き回ることを望まない/不安を覚える、ということがその理由だ。事実、以前に配備されたこちらもLIDARとセンサーカメラを備えた自律型警備ロボ「K9」が殴る蹴るの暴行を受けたり、布を被せられたり、BBQソースをぶっかけられたりした挙句、「無断で走らせるな!」とのクレームにより使用禁止となってしまった例や、

Waymo自律走行車がタイヤに悪戯されたり銃を向けられたりといった嫌がらせを受けた例がある。
これにはサンフランシスコの抱える歩道が狭い、坂道が多いといった恵まれない道路事情が関係しているとも言われている。また、住民も多く観光客も多い。自律配達ロボットが荷物を受け渡す為に安全に駐車する場所の確保も難しい、といったところだろうか。

開発した「Postmates」は、市の管理委員会と限定的な配達ロボに規制許可を与える方向で協議を重ねているとのことだ。そして、この「サーブ」の愛らしいと言っても良い外見は、市民の不安感や警戒心をなくし、ロボットたちが暴行や大事な積荷を奪われたりする被害に合いにくくするためなのでは、と囁かれているのだが、未だ明確な回答は得られていない。確かに、可愛らしいものを乱暴に扱いたくない、というのは多くの人間の共通の思いだろう。何にしろ、そう遠くない時期に市民から受け入れられ、ロボットが安全に配達業務に勤しめるサンフランシスコの光景が見られるかもしれない。

参考
*GIZMODO
https://www.gizmodo.jp/2018/12/minions-esque-delivery-robot-serve.html
https://assets.media-platform.com/gizmodo/dist/images/2018/12/14/181217_minions2.jpg (図2)
https://assets.media-platform.com/gizmodo/dist/images/2018/12/14/181217_minions-w1280.jpg ( Top画像)
https://www.gizmodo.jp/2017/12/san-francisco-security-robot-k9.html

*azcentral
https://www.azcentral.com/story/money/business/tech/2018/12/11/waymo-self-driving-vehicles-face-harassment-road-rage-phoenix-area/2198220002/

*カラパイア
http://karapaia.com/archives/52250997.html
http://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/a/5/a539460e.jpg (図1)

執筆者:株式会社光響  緒方