「バックパック型ライダーを背負って京都を歩こう!」【八坂神社編】

京都と言えば寺社仏閣、寺社仏閣と言えば京都を連想するくらい、京都市内には大小様々、祀られる御神仏も様々なお寺や神社があちらこちらに坐しますわけなのだが、四条烏丸にある弊社・株式会社光響から程近く、全国的に有名な神社と言えば、言わずと知れた「八坂神社」だ。
久方ぶりにお送りする『バックパック型ライダーを背負って京都を歩こう』シリーズは、今まで何故行かなかったのか、畏れ多かったのか、近すぎたのかその理由は伏せたまま、【八坂神社編】を、満を持してお届けしたい。

光響は四条烏丸にあるので、八坂神社までは東へほぼ直線の一本道だ。碁盤の目状の京都市内は非常に分かりやすくできている。
決行日は2019年5月17日、天気は快晴。夏は酷暑・冬は寒風に責め立てられる意外に苛烈な土地柄では、非常に貴重な実に爽やかな天候に恵まれ、正に歩き日和とも言うべき吉日だ。八坂神社の御祭神の一柱・素戔嗚尊のご機嫌が頗るよろしかったのかも知れない。
そして、今回使用するバックパック型ライダーはコレ。

アレ?前回と違わないか?と思われた方は非常にお目が高い。こちらは「LiBackpack C50」。新たな機能搭載でお目見えした新機種だ。前回使用した「LiBackpack D50」はセンサーを2つに増量し精度を高めた分、ややダイエット失敗気味の重量感になってしまっていたが、この「C50」はセンサーを1つにし、ややスリムな6.2kgと女性でも割と楽に背負える快適サイズ。1038 × 270 × 147 mmでこれまでの2タイプより少し長身デザインだ。ボディは爽やかなブルーとシックなブラックで纏められている。一番気になる新機能は動画と文中でおいおいご説明申し上げるとして。
では、この新機能搭載「LiBackpack C50」を背負って観光案内を交えつつ「バックパック型ライダーを背負って京都を歩こう!【八坂神社編】スタートだ。

八阪神社の創建は諸説あるが、斉明天皇2年(656年)とされている。法観寺の八坂の塔が589年、頂法寺の六角堂が623年、平安遷都が794年なので、京都の寺社仏閣の中でも古く、また京都そのものよりも昔にその礎が築かれた歴史ある神社だ。観光ガイド等で目にする事が多い石段上の楼門は、創建当初のものは1467~1478年の応仁の乱で焼失し、明応6年(1497年)に檜皮葺で再建され、永禄年間(1558~1570年)に瓦葺に葺き替え、大正2年の四条通り拡張に伴なって現在の場所に移動となった。その時に翼廊を建造し、私達のよく知る今の姿になった。有名なのはこちら側だが、実は正門はこの西楼門ではなく南楼門で、祇園祭の御輿もそちらから出入りする。

この西楼門をスキャン&360°カメラで撮影しながら通り抜け、屋台の並ぶ参道を上る。有名観光地で基本的に人通りが多い場所なので、どうしてもスキャンの際に人影が映り込んでしまうわけだが、後のデータ処理で人のデータだけ消去する事ができるので特に気にする必要はない。なので、人混みの中でスキャンするのを避けるためにわざわざ深夜や早朝にバックパック型ライダーを背負って出掛ける、といった面倒な夜更しや早起きはしなくても大丈夫だ。

ここで新機能について。そう、この「LibackpackC50」はレーザースキャナーとカメラが搭載されている。この360°RGBカメラで全方位をパノラマ撮影し地点毎の詳細が見られる同時に、今までのようにレーザースキャンを行なっている。つまり、「LibackpackC50」は、空間認識のレーザとカメラの色彩データを合わせて、データをカラーで取得できる逸品というわけなのだ。
なので、この参道も、RGBカメラのお陰で何の屋台がでているのかまで確認できてしまう。レーザースキャンだけでは記録できなかった「とうふステーキ」や「チーズドック」の赤い文字まで判別可能だ。その場所に何が配置されていたか、何色だったのかまで詳細なデータと共に写真のような絵画のようなカラフルさが取得できる。

参道を抜けると正面に見えるのが舞殿、左手に見えるのが本殿となっている。現在の本殿は承応3年(1654年)徳川4代将軍家綱が紫宸殿を模して再建したもので、一説によるとこの本殿は池の上に建てられており、そこは古来より大地のエネルギーが集結する龍穴となっていて青龍が棲み京都を守っている、とかいないとか。真偽の程は定かじゃないが本当だったら凄い的言い伝えの残る本殿を中心に八坂神社のほぼ全景スキャンがコチラ。

上がRGBカメラを使ったカラーバージョンだ。レーザースキャンのみの下のデータとの差は一目瞭然。カラーの方は緻密に描かれた点描画だ、と言われれば信じてしまいそうだ。

本殿は拝殿と一つの屋根で覆われる祇園造(八坂造)で、最も仏教の建築様式に近い神社建築様式とされている。八坂神社の前身は平安初期に藤原基経が建立した観慶寺感神院の中に本殿を設けたことが始まりとされているので、その影響が残されているもかもしれない。
御祭神は素盞嗚尊、櫛名田比売命、八柱御子神(素盞嗚尊の8人の子供)。八岐大蛇の生贄にされそうな櫛名田比売命を素盞嗚尊が助けだし夫婦となった神話(この時に八岐大蛇の尾から出てきたのが三種の神器の一つ「草薙の剣」とされている)は有名で、素戔嗚尊はなかなかのヒーローっぷりを示し、流石、三貴子が一人、という漢ぶりだ。が、ここに至るまでは、母・伊邪那美命が黄泉の国に下った事を寂しがって泣き喚き職務放棄して父・伊邪那岐命に高天原を追い出されたり、その時に大騒動を起こして姉・天照大御神を天岩戸に引き籠らせたり、と大概なお騒がせ神様だったりもする。因みに、本殿東側にある悪王子社に祀られているのも素盞嗚尊だが、この「悪」の字は「悪い」という意味ではなく、「強い」「荒々しい」という意味だ。日本の神様の二面性「和魂」「荒魂」のうちの「荒魂」を表しているとされている。弊社の近所に悪王子町という地名があるが、そちらも素盞嗚尊のことだ。よくよく京都市内ではご縁のある神様で、祇園祭の主祭神でもある。


*悪王子社:本殿東側にある。最近新調され、その際に狛犬も設置された。


*西楼門:通行人のデータを削除して楼門のみのデータをカラーで取得できる。

「バックパック型ライダーを背負って京都を歩こう!【八坂神社編】」はそろそろ終了だ。「LibackpackC50」を使って結構広い八坂神社のスキャンにかかった時間は、のんびり歩いて大体の20分程。それだけの時間で詳細且つカラー、しかも通行人のデータは消去したデータを得られるというのは、非常に有益と言えるだろう。例えば、常に混雑した地下街や大通りのデータが必要な場合に、夜中や早朝に無理に行動しなくても良いし、そこに何があるのかいちいちカメラや映像で別撮りすることもしなくて良い。その分ゆっくり寝られて、手荷物も減る。正に一挙両得の優れものアイテムだ。
広い場所のデータをカラーで短時間に取得する必要に迫られている方、通行人の多い所でのデータ取得に疲れ果てている方、まるで点描画のようなカラーのレーザースキャンデータを絵画として楽しみたい方は、弊社「株式会社光響」まで是非ともご一報を。
では今回の「バックパック型ライダーを背負って京都を歩こう【八坂神社編】はここまで。次回更新、宇治川【天ヶ瀬ダム編】を楽しみにお待ち頂ければ幸いだ。

執筆者:株式会社光響  緒方