ポイント
- これまで数%だった結晶性サブマイクロメートル球状粒子の生成率を約90 %に向上
- 流れる分散液中に含まれる全ての原料粒子にパルスレーザー光を照射できる手法を開発
- 結晶性サブマイクロメートル球状粒子を金属、酸化物で実現し、各種製品の開発加速に期待
概要
国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)ナノ材料研究部門【研究部門長 佐々木 毅】ナノ粒子構造設計グループ 石川 善恵 主任研究員は、株式会社コガネイ【代表取締役社長 岡村 吉光】(以下「コガネイ」という)と共同で、結晶性のサブマイクロメートル球状粒子を高い生成率で合成する技術を開発した。形状がふぞろいの原料粒子を分散させた液体にパルスレーザー光を照射して結晶性サブマイクロメートル球状粒子を得る液中レーザー溶融法は金属、酸化物、炭化物など幅広い材料に適用できる。この方法は産総研が開発し、国内外で関連する研究開発が進められているが、粒子の生成率は10%以下にとどまっていた。今回、原料分散液を液膜状に流し、分散液中の全ての原料粒子に効率よくパルスレーザー光を照射できる液膜フロー式レーザー照射法を開発し、球状粒子の生成率を約90 %に向上させた。結晶性サブマイクロメートル球状粒子はディスプレーに用いるスペーサー、光学材料、化粧品の添加剤などとして、機械的強度、光散乱といった機能向上のためのさまざまな応用が考えられている。大量合成が可能となったため、今後、プロトタイプの試作を通じた製品開発の加速が期待される。今回開発した技術の詳細は、学術雑誌Scientific Reports電子版に2018年9月21日(英国夏時間)に掲載された。
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