<空想世界レーザー>続・人類が「目からレーザー」を撃つ方法。レーザーポインター編

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つい先日、「人類が生身でレーザーを撃つ方法」について色々と考えを巡らせてみたわけなのだが、他にも方法は無いものか、と考えてみた。地球上の生物として生まれた以上、人体改造や遺伝子操作無しでレーザーを撃てない、ということには納得しよう。それはもう仕方のないことだ。人間が二酸化炭素を吸って酸素を吐きだすことが出来ないのと同じようなものだ。

しかし、技術的な事はまだまだ考える余地に満ち溢れている。もっと身近なもので、もっと簡単に、できることなら非常に低価格で、「目/口からレーザー」を実現する方法はないものなのか。我々の日常生活の中で、一番手軽で安全、且つお手頃レーザーと言えば、言わずと知れたレーザーポインターだ。子供の玩具にプレゼン用に、猫じゃらしの代わりにと多目的に使われている。一家に一つ、とまではいかなくても、かなりの人が所有しているはずだ。

このありふれたレーザーポインターを使えば、「目/口からレーザー」をもっと簡単に実現できるのではないだろうか。しかも、身近で安価な素材だ。一部の限られた者ではなく、より多くの人類がレーザーを撃つことができるようになる。地球防衛の面から見ても大変魅力的だ。一考する価値は大いにあるだろう。レーザーポインター1個の持つ威力は非常に微々たるものだ。ただ方向とポイントを指し示すだけの道具に何ができるのか。レーザーは光だ。一つずつなら弱小のレーザーポインターでもレンズを使って一点に絞れば、虫眼鏡で集光した太陽光が紙を燃やすように強力な力になる。

日本国内で販売されているレーザーポインターは、2001年に消費生活用製品安全法の特別特定製品に指定され、法的な規制を受けている。

例えば、
・全長は8cm以上
・重量は電池を含めて40g以上
・最大出力は1mW未満。玩具用はJIS規格クラス1のみ使用可。
・手を放すとスイッチはOFFにならなければならない。
等々、他にも多くの決まりごとがある。

つまり、安全・安心を大前提にした製品のみが流通を許可されているわけだ。
そんなにも配慮されている製品を使って兵器じみた物を作ろうと考えるのは些かどころか非常に後ろめたい気がするのだが、地球を侵略する宇宙人や宇宙怪獣と相対する為、と心を鬼にするしかない。次に、怪獣や宇宙人と戦う為に必要となるレーザーの出力だが、彼らが所謂<肉>で構成されている、として、そこに含まれている脂肪を熱で溶かす、或いは焼くことでダメージを与えるとなると、最低でも1kW程度の出力は必要になるのではないかと思われる。

ここで、少し頭を冷やして冷静になってみよう。お手軽に買えるJIS企画クラス1のレーザーポインターの出力を1mWと仮定する。レンズでレーザーポインターの光を集光して、1kWの威力を得る為に必要な本数は、単純計算で、1,000,000本。漢数字で書けば百万本だ。

レーザーポインター1個の価格が、安く見積もって大体300円とする。

300×1,000,000=300,000,000で、3億円。

更に、消費生活用製品安全法により、レーザーポインターの重量は40g以上、サイズは全長8cm以上と規定されている。直径の規定はないが、大体1cm~1.5cm位としてみよう。まず、重さは

40g×1,000,000=40,000,000g=40,000kgとなる。
つまり、40t

次に1,000,000本のレーザーポインターの光をレンズに集光する為に一纏めにしなくてはならない。一辺を1,000個ずつの正方形に並べた場合、その辺の長さは、10m

総合すると。
レーザーポインターで「目/口からレーザー」を実現しようとすると、1本300円のレーザーポインターを、3億円かけて買い集め、一辺10m奥行8cmで総重量40tの直方体に纏めなくてはならない。正直、何の役にも立たないどころか、邪魔以外の何物でもない謎の四角い超重量級巨大物体ができ上がることになってしまうことが判明した。しかも、安上がりどころかとてつもなく高額だ。3億円分のレーザーポインターを購入するぐらいなら、どこかの謎の組織にレーザー兵器の製造を依頼する方が余程にマシな気がする。仮にコレを作り上げてしまったとしても、10m四方、40tの巨大な物体を運搬するには、こちらも巨大な特別性のトラックでも購入するしかない。

しかも、恐ろしいことに問題はこれだけに留まらない。消費生活用製品安全法によると、国内販売を許可されているレーザーポインターは、「手をはなすとスイッチがOFFにならなければならない」と決まっている。つまり、1,000,000本のレーザーポインターを全てケーブルで繋ぐという、途中で絶叫したくなること請け合いな、超面倒くさい作業を延々とこなさなくてはならない。若しくは、スイッチが切れないように1本ずつテープで固定していくかだが、この方法を選択した場合には、この巨大装置を組み上げている間に電池切れを起こして交換する羽目になる可能性がある上、常時スイッチ入りっぱなしの無差別攻撃兵器化する恐れが非常に大きいので、全くもってお勧めしない。

結論として。レーザーポインターを集めても「目/口からレーザー」へ到達する技術的問題は、何一つ解決しないし一歩たりとも前進しない。かかる金額3億円は、他にもっと有益な使い道が有る筈だ。家を買うなり世界一周に旅立つなりした方が使われるお金も幸せに違いない。1辺10m奥行8cmという薄っぺらい直方体で、重量40tの物体を体に装着してうろつき回れる人類は存在しないし、トラックやトレーラーに積み込むにしても、もはや完全に別物、普通(?)のレーザー兵器になってしまう。1,000,000本のレーザーポインターをケーブルで繋ぐのもテープで留めるのも面倒くさいのですっぱり諦めて、ご飯を食べて昼寝でも始める方が余程に有意義だ。つまるところ、失敗以前の問題、ということだ。今回も失敗に終わった「目/口からレーザー」だが、いつか人類がその技を習得する日を目指して、考えたり考えなかったりしていきたいと思う。

参考
http://www.rezapointa.com/images/rezapointahtpowlaswelm2.jpg (Top画像)

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https://optinews.info/2018/03/20/eye-laser/

執筆者:株式会社光響  緒方