レーザ核融合実験用の新ビームラインが完成

当社は、レーザ核融合実験向け100ジュール(以下J)級レーザをターゲットに照射し、そこで発生する圧力を100万気圧まで計測できる新たなビームラインを完成させました。計測結果を基にレーザの照射条件を最適化しターゲットにかかる圧力を高めることで核融合反応を起こしやすくし、レーザ核融合の実用化に向けた高繰り返しレーザ核融合の基礎研究、応用研究をさらに進めていきます。なお、本設備を用いた研究成果は、10月22日(月)から10月27日(土)までの6日間、インドのグジャラート州アーメダバードで開催される国際会議「第27回国際原子力機関(IAEA)核融合エネルギー会議」において発表します。

当社は、レーザ核融合向けの励起用高出力半導体レーザ(以下LD)の開発や連続的に核融合反応を起こす高繰り返しレーザ核融合に関する基礎研究、応用研究を進めており、2014年に建設したレーザ照射棟では、100J級レーザ、レーザを伝送するビーム配管、球状の大型チャンバーで構成されるビームラインを用いてレーザ核融合プラズマに関する基礎実験を行ってきました。燃料に100万気圧程度の高い圧力をかけ均一に圧縮することで核融合反応を起こしやすくなることから、レーザの照射条件を最適化し圧力をより高めるため、燃料にかかる圧力を把握する環境を整える必要がありました。今回、当社製ストリークカメラを用いることで、1億分の1秒と極めて短時間内にレーザを照射したターゲットにかかる圧力が変化する様子を100万気圧まで計測するとともに、100J級レーザの時間的な出力の変化を調整し圧力を高める環境を整えました。現在、ターゲットにかかる圧力を30万気圧まで高めることに成功していますが、レーザの照射条件を最適化しターゲットにかかる圧力を100万気圧まで高め核融合反応を起こしやすくすることで、レーザ核融合の実用化に向けた高繰り返しレーザ核融合の基礎研究、応用研究をさらに進めていきます。また、レーザ照射により発生する衝撃波で金属表面に圧力をかけ硬化させるレーザピーニングなどのレーザ加工において、金属にかかる圧力と加工結果に関する研究を進めることで、レーザの照射条件を最適化し加工効率を高めることができます。さらに、レーザで炭素などに高い圧力をかけ別の物質を生成する高圧合成への応用が期待できます。

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